「聖水と教会堂展―中江ノ島をめぐるキリシタン信仰用具/黒島の教会堂建設の足跡―」ギャラリートークを開催しました。
毎回、違う担当者が解説するため、リピーターのお客様が多く来館されていました。中には「皆勤賞を狙います」とおっしゃる方も!嬉しい限りです。
今日の解説は、長崎県文化振興・世界遺産課の伊藤学芸員、佐世保市教育委員会文化財課の中原学芸員ペア。お二人とも、現場で培った体験から話すので、かなり説得力がありました。質問やメモをとる熱心なお客様、写真を撮るお客様もいらっしゃいました。
展覧会では、まず、伊藤学芸員から、中江ノ島のキリシタン信仰用具について説明がありました。ずらりと並ぶ“お水瓶”には、さまざまな文様があります。この聖水を入れておく“お水瓶”のひとつに、鳳凰文のイマリ(17世紀、ヨーロッパに輸出された貿易陶磁)がありました。ショーケースには、祭壇用具に使用された布が展示されています。やわらかな色調の黄色の布で、これは更紗です。本展開催の伴う調査により判明した発見です。
また、中原学芸員の黒島の教会堂建設の足跡で話があった、黒島天主堂の天井板の木目模様が手描きだったことも驚きでした。トロンプ・ルイユ(騙し絵技法)は、古くは17世紀のイタリアやオランダの教会、宮殿の天井画に描かれていました。神や天使、花や植物を描くことで、神聖な空間や華やかな雰囲気が天井に広がります。黒崎天主堂の板目も、高級感のある天井に見えたことでしょう。貝殻が混入した赤土のレンガも展示されています。建設に携わった当時の人々の篤い信仰心と当時の建設方法を守りつつ保存修復を手掛けた耐震工事の様子を知ることができます。
本展は、3月6日(木)までの開催です。次回ギャラリートークは、
3月1日(土)14:00〜中園館長(平戸市生月博物館・島の館)、伊藤学芸員(長崎県)
3月2日(日)14:00~川口補佐(長崎県教育委員会)、伊藤学芸員(長崎県)
です。この機会にぜひお立ち寄りください。










