「聖水と教会堂展ー中江ノ島をめぐるキリシタン信仰用具/黒島の教会堂建設の足跡ー」最後のギャラリートークを実施しました。
作品解説を行なうのは、キリシタン関連遺産を世界文化遺産登録に導いた長崎県学芸文化課の川口洋平氏と、すっかりお馴染みになった本展担当の伊藤晴子学芸員です。多くのお客様が参加され、お二人の解説に耳を傾けていました。
一番バッターの川口補佐の解説は、地図パネルから入りました。1644年に最後の宣教師がいなくなってから、民衆レベルで“潜伏”しながらの信仰になったことを説明。そして、中江ノ島のキリシタン信仰用具のコーナーでは、調査によりお水瓶に“肥前産の色絵瓶”(1655年から1670年代までの17世紀中頃)が使用されていたこと、さらには、掛軸に描かれた二人の人物が、洗礼者ヨハネと洗礼を受けるイエスであること、御神体の下に敷いたりする布にインド更紗の影響を受けた和更紗が使われていることなど、貴重なお話をしてくださいました。
次に、伊藤学芸員の解説は、全体的な本展の概観と黒島の教会堂建設の足跡についてです。平戸藩の再開発地に移住したキリシタンは、既存集落と“共存”していたこと、外国宣教会の神父は覚悟をもって派遣されてきたこと、マルマン神父の『聖教初学要理』はプティジャン神父のそれを踏襲して作成されたこと、黒島教会堂の尖塔十字架が強風により取り替えられたことなど、興味深いお話でした。
展覧会は、2025年3月6日(木)までです。みなさまのご来館をお待ちしています。火曜日は休館日です。






