昨日、6月21日(土)、ミュージアム・コンサート「ヴィオラでホットタイム」を開催しました。
本イベントは、「田尻杜門 版画展-名もなき犬達-」の関連企画として行われた、アニマルライブ応援チャリティーコンサートです。
田尻さんは北九州市在住で、会期中は毎日、電車で「しまび」に通い、お客様に、丁寧に作品の解説をしてくださいました。展覧会をなぜ「しまび」で開こうと思われたのか伺ったところ、「佐賀の方から『展覧会をするなら、しまびがいい!』と勧められたんです」と笑顔でお話くださいました。ホテルに泊まるよりも楽で、電車の旅も楽しんでおられる様子。作品への熱意と行動力に、感謝の気持ちでいっぱいです。
展覧会を開催したいと強く思われた理由は、「殺処分される犬たちの現状を多くの人に知ってもらいたい」という願いからでした。
実際、長崎県は犬の殺処分数で全国2位(2023年環境省データ)にあたり、年間249頭が命を落としています。
展示室には、ブル・テリアなどの犬を描いたモノクロ版画がずらりと並びます。田尻さんは、あばら骨が浮き出るほどやせ細ったブル・テリアを見かけ、保護したことがきっかけでこの活動を始められたそうです。子犬の頃は可愛がられていても、大きくなると飼えなくなり、捨てられてしまうケースも多いといいます。そんな現状を受け止め、彼は、犬たちのさまざまな表情を版画で表現し、「殺処分ゼロ」を目指して活動を続けています。
今回のミュージアム・コンサートでは、特定非営利活動法人アニマルライブ代表の岩﨑ひろみさんが登場。演奏は、響ホール室内合奏団の今村順子さん(ヴィオラ)と伊勢谷佳良子さん(ピアノ)によるデュオで、「埴生の宿」など“命”をテーマにした楽曲が披露されました。コンサート終了後は、チャリティーグッズがテーブルに並べられ、多くのお客様が募金箱に気持ちを寄せてくださいました。
ペットは古くから人間にとって大切な存在です。人間の都合で尊い命が失われないように、最期まで責任を持って飼うという意識が、より広がっていくことを願っています。