しまび1階ロビーにて佐世保廃墟俱楽部の皆さまによるトークイベントが開催されました。同俱楽部はメンバー10名、多い時には月2回活動をし、結成して間もなく10年の節目の時期を迎えます。トークではみなさんの廃墟に関する様々なエピソードが飛び出してきましたが、私、広報担当が印象に残った事柄を次にご紹介します。
来場者の中には写真を趣味とされる方が多くいらっしゃいましたが、その中でも廃墟を撮影する方は少ない様です。そのためか、倶楽部メンバーが撮った廃墟写真は写真愛好家のみならず写真を趣味としない来場者からも注目されていました。
トーク中にメンバーが廃墟にハマった理由が語られましたが、やはりきっかけは様々。川棚町の片島魚雷発射試験場跡をはじめとする軍事遺構が有する独特の廃墟感に魅入られた人、廃墟の写真を見て現地に赴き写真を撮っていくうちにハマった人、建物やそれをとりまく自然の美しさ惹かれて廃墟写真を撮る活動にのめり込んでいった人…。メンバーごとで廃墟に対する愛着のカタチが個性的だったことが、トークを聞いていてとても面白かったです。
各メンバーの「撮影姿勢」と「廃墟の定義」にも各々で独自の考えをお持ちであったこともまた印象的でした。廃墟を撮る際には「直感で撮影する」か「粘り強く撮影する」か。廃墟が「人のいとなみがあった場所」、「役目を終えたもの」と定義するならば、廃車も廃墟として扱うべきか…といったかなり深いお話がありました。正直、私の理解を超えています…。
「佐世保廃墟俱楽部写真展2022」は1階フリースペース、中2階ギャラリーで8月31日(水)16時まで開催しております。その中には、熊本県八代市(旧・坂本村)にある坂本村立藤本小学校、中津道小学校で実際に使われていた机、椅子、実際の授業で使われていた人体模型や大型そろばんなどの教材が数々展示してあります。これらの展示品を観て実際の現地付近に足を運んでみるのも廃墟を知るきっかけになるかもしれませんね!
※掲載写真は今年度の博物館実習生が撮影しました。