11月2日(土)、3日(日)も「生誕120周年記念 ダリ展―版画と立体でたどるシュルレアリスム―」関連イベントを行ないました!
11月2日(土)は14時から、ワークショップ「チョウの版画をつくろう!」を実施しました。講師は、版画家の山本早苗先生です。山本先生は今年の8月に当館で個展を行ない、「チョウの版画をつくろう!」の模擬的なワークショップをされました。今回はその内容を踏まえつつ、ダリの作品によく出てくる“チョウ”をテーマにワークショップをしていただきました。
まず、ベンガラ紙(下絵)に版をトレースして、チョウの絵を描き、トレースしたクラフトテープ版に、溝ができるようボールペンで強めに描きます。
次に、できあがった溝にゴムヘラを使って黒のアクリル絵具を詰めるようにのせ、背景の黒のアクリル絵の具は適度に拭きとります。
そして、メディウム(アクリルのり)をクラフトテープ版に塗ったあとはドライヤーでメディウムを乾かして、チョウや背景に好きなアクリル絵具を塗ります。
最後に、塗り終わったら再度メディウムを全体に塗り、写したい紙にクラフトテープ版をあてます。アイロンで十分な熱をあて十分に冷ましたら、写したい紙からゆっくりと剥いでいくとチョウの作品の完成です!
完成したチョウの版画を見て、参加者からも先生からも拍手が起こりました。「参加者のみなさまは全員、絵心がある!」と山本先生は感心なさいました。ご参加のみなさま、山本先生ありがとうございました。
11月3日(日)には、上野裕介先生によるギター・コンサートが14時から1時間ほど行なわれました。「ダリ展」初の試み、ダリの作品に囲まれながらのギター・コンサートです。ダリが住んでいたスペインの風景やお城、街並みを思い描くことができる心地よい響きでした。
曲間で上野先生は「中世からルネサンス時代にはリュートが主流だったが、弦が多く、ギターへと派生していった」というギターの歴史についてお話されました。また、素材について、「トップとバック、そしてネックなどギターの部分に異なる木材が使われていること」や「大航海時代にスペインがラテンアメリカなどを侵略したことでラテンアメリカなど紫檀といったヨーロッパにない素材が使用されていること」を説明されました。
さらには、演奏される曲(アルハンブラ宮殿の12頭のライオン噴水のお話など)や作曲家(ギターを弾かない作曲家がギター曲を作った場合のお話など)について、そしてお客様の“拍手のタイミングが素晴らしい”ことについて、上野先生のわかりやすいご説明やコメントが興味深く、面白かったです。
作品と曲の両方を堪能できる時間でした。演奏後、ダリ作品をご覧になっている方が多かったので、きっとギターの余韻を感じながら鑑賞されていたことと思います。アンコールまでいただいたご来館のお客様、上野先生ご夫妻、ありがとうございました。
【演奏曲】
1.ホタ・アラゴネーサ(H.L.カバナリ)
2.盗賊の唄(カタルーニャ民謡/M.リョベート編曲)
3.アメリヤの遺言(カタルーニャ民謡/M.リョベート編曲)
4.聖母の御子(カタルーニャ民謡/M.リョベート編曲)
5.ラグリマ(F.タレガ)
6.アデリータ(F.タレガ)
7.夢「マズルカ」(F.タレガ)
8.アラビア風奇想曲(F.タレガ)
9.アルハンブラの想い出(F.タレガ) カスティーリャ組曲より
10.「ファンダンゴ」 (F.モレノ=トローバ) 組曲 スペインの城より (F.モレノ=トローバ)
11.「モンテマヨール」(松のロマンス)
12.「トリーハ」(哀歌)
13.「トゥレガーノ」(山唄)
14.アンコール 最後のトレモロ「神のお慈悲にかけてお恵みを」(A.バリオス)