ダリといえばこれ!みなさんが真っ先に思い浮かべるモチーフとは「やわらかい溶ける時計」ではないでしょうか。この時計について、しまびのエース学芸員・山内はギャラリートークの中でこのように考察しました。
「時間というものは本来、形でとらえられないものであり、我々がよく知っているこの時計というものは時間という形ないものを物質化したものに過ぎない。もともと硬い物資である時計が柔らかくなっている。ダリが死の象徴としてとらえたアリが時計の上にのっているのは、永遠に流れ止まることのないように思える時間にも、終わりという死が訪れることを表現しているのかもしれない。この世に絶対というものは存在しない」
なるほど!さすがしまびのエース学芸員・山内。なかなか深い考察です。今回しまびに展示されている作品の中に、この時計モチーフが複数登場しています。みなさんもぜひ、しまびに足をお運びいただき、ダリが表現しようとした世界観にどっぷり浸かってみてはいかがでしょうか?ダリ展は12月26日が最終日です。お見逃しのないよう、みなさまのご来館を心よりお待ちしております!


本日は土曜日ということもあり、ギャラリートークにも大勢のお客様に足をお運びいただきました。担当は大神学芸員。ダリの出生から始まり、さまざまなエピソードを交えつつその生涯を説明して行きます。特徴の一つでもある「カイゼル髭」に関しては、若き日のダリがいかにイケメンであったかを熱弁。当時の写真を掲げると、女性のお客様からは小さく「おぉ」という声も上がりました。
フロアを参加者とともに巡り、要所要所でキーワードを取り上げながらの解説は分かりやすく、飽きさせません。3階展示室「不死のための10の処方」前では、スマホを活用したホログラフィを投影する小道具も使い、ある種、難解なダリの思想を具現化し説明しました。
作中の「松葉杖」「宇宙象」などダリがモチーフとした対象の話を進めながら、最後には最重要人物ともいえる妻・ガラについてのエピソード。その人物像と恋愛観など、女性視点を交えながら、ダリにとってのミューズであった存在の核心に迫る解説に、お客様も最後まで惹き付けられた様子でした。
学芸員による次回のギャラリートークは明日12月15日(日)11時、14時。その後は21日(土)、22日(日)にも開催します。
「ダリ展」の入場券があれば無料でご参加いただけます。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。



去る11月4日(月・振休)に行われました当館初のフラメンコ・ショーは、超満員御礼のうちに幕を閉じました(https://shimabi.com/news/news_9972/)。これを受けて本日12月7日(土)にアンコール公演を実施しました。舞台は前回と同じく、ダリの絵画がずらりと並ぶ2階展示室、出演者はフラメンコスタジオ「ケレンシア」の皆さまです。
わずか30分の短い間でしたが、踊り手11名の皆さんから伝わってくる熱気がとにかくすごかったです…!舞台に立つ踊り手の皆さんの力強い足さばきと優雅な手の動きに見とれるばかり。
特に印象に残ったのはパルマ(手拍子)でした。時に優しく、時に力強く手のひらを打ち続ける音の強弱がフラメンコの有する特有の情熱と踊り手の感情を表現しているのだと、素人の目にもひしひしと伝わるものがありました。
絵画のみならず音楽から異文化を理解することは良いことですね。





生涯にかけて奇想天外な作品を生み出し、数々の奇抜なパフォーマンスで人々を驚かせてきたダリ。そのようなダリがいかにしてつくられていったか。その秘密が本日の中野学芸員のギャラリートークの中で語られました。
死なないため、永遠に存在するためにダリが考えだした原理や理論を版画化した《不死のための10の処方》という奇抜な作品は、ダリの独特の感性が顕著に表現された作品の一つだといえます。中野学芸員の口から語られるダリの深い考えにお客様たちも納得の表情をされていました。
次に中野学芸員が登場するギャラリートークは12月21日(土) ダリの秘密を知りたい方はぜひ次のギャラリートークの機会をお見逃しなく!

「誰ですか?ダリですか?」ですっかりお馴染みとなった安田館長。12月1日(日)、11時からのギャラリートークではダリについて語りまくりました。
4階では、本展開催の経緯、版画の技法、大航海時代からみるスペインの印象、ダリの生い立ちから始まり、次に『神曲』のあらすじとダリ作品の特徴、地獄や天国の構造、コペルニクスの地動説とキリスト教まで。
3階にくだり、ダリ作品のシンボル、リスペクトされた画家たち、立体作品、SMの話、ソロモンの雅歌のエロスの話、そしてイスラエル12支族と離散した10支族について。
最後の2階では、『哲学者の錬金術』の出品エピソードや羊皮紙の話、妻ガラとダリの関係やダリの身体について、そして象徴的モティーフについてを解説しました。
1時間10分にわたり、たくさんのお客様にご参加いただきました。当日のアンケートでもお褒めの言葉をちょうだいしています(抜粋)。
「ダリ展、本物?と思っていましたが、館長から本物ですと聞いてすごい事だな、サセボで観られるとは。館長はじめ皆様ありがとうございます」(佐世保市、70代女性)
「学芸員の方のご説明がわかりやすく、今まで観たダリ展の中ではとても楽しく観ることができました。ありがとうございました」(横浜市、80代女性)
「たまたま来た時間がギャラリートークの始まる時間であったことは幸運でした。それにしてもダリの作品は、いくら見ても飽きることのない魅力がありますね。市内で見ることができてありがたい」(佐世保市、40代女性)
「ダリ展、良かったです。解説もわかりやすかったと思います」(平戸市、50代女性)
たいへんご好評をいただいておりますので、ギャラリートークは土日の14時だけでなく、11時の回も追加しております。次は12月7日(日)11時、しまびの森本レオ、中野学芸員の担当です。お楽しみに!
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12月1日(日)14時からは、松永秋子さんとSeraphim(セラヒム)のみなさまによるオルゴール・コンサートを行ないました。
松永さんは佐世保で唯一、ハンドリングW-faceオルゴールを持っていらっしゃる方です。
ハンドリングW-faceオルゴールとは、樹齢200年の宮崎県産おび杉を使ったオルゴールです。
開演前から会場は、立ち見ができるほどの満席となり、今か今かとオルゴールの音色を待ちわびるお客様の様子が伝わってきました。
今回、松永さんは、ダリやスペインとオルゴールをどのようにして繋げられるかと考え、曲目を選定したそうです。熊本から来られたSeraphim(セラヒム)のみなさまとともに、ダリ作品に囲まれながら、愛のロマンス、亡き王女のためのパヴァーヌ、幸せなら手をたたこう、G線上のアリア、リベルタンゴ、くるみ割り人形、聖歌メドレーをオルゴールの演奏でお楽しみいただきました。
澄んだ音色にうとうとされる方、涙を浮かべる方もいらっしゃって、心も澄みわたる癒しの1時間でした。終了後、オルゴールの仕組みの説明や体験もあり、賑やかなひとときとなりました。
お客様、松永秋子さんはじめ、Seraphim(セラヒム)のみなさま、ありがとうございました。
次のイベントは、12月7日(土)11時からのギャラリートークです。中野学芸員が担当です。「ダリ展」の入場券があれば参加は無料です。4階展示室から2階展示室まで下りながら作品解説を行ないます。
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11月17日(日)15時30分からダリ展関連イベント「音浴博物館プレゼンツレコード・コンサート」を行ないました。
司会進行は、音浴博物館の長田雅英キュレーターと、しまび中野学芸員です。開始に備える二人の顔にはカイゼル髭!! 準備万端です。
1曲目アンドレ・セコビアによる「アルハンブラの思い出」にはじまり、パコ・デ・ルシア「オレ!」、ジャック・フェヴェリェ「太った木の人形のスケッチとからかい」と長田学芸員が選曲したスペインにちなむ楽曲が続きます。
途中、シュルレアリスムのイメージから連想されたピンク・フロイドを3曲はさみ、全8曲。舞曲、フラメンコ、プログレッシブ・ロックと幅広いジャンルにわたる楽曲で、アナログレコードによるダリの世界が繰り広げられました。
ご来場いただいたお客様、長田キュレーターありがとうございました。
次回のイベントは、11月30日(土)11時、14時と12月1日(日)11時からしまび学芸員によるギャラリートーク、12月1日(日)14時には、樹齢200年の宮崎県産おび杉で作られた「ハンドリングW-faceオルゴール・コンサート」を予定しております。ぜひともみなさまのご来館をお待ちしております!
いずれも、「ダリ展」会場内で行ないますので入場券が必要です。





長崎県美術館の稲葉友汰学芸員による「プレミアム・ギャラリートーク」を開催しました。稲葉学芸員初来館ということで、「生誕120周年記念 ダリ展―版画と立体でたどるシュルレアリスムー」の会場には、大勢のお客様が集まりました。久しぶりのギャラリートークだと言われていた稲葉学芸員でしたが、よく通る声で約1時間にわたり作品を次々と解説。
冒頭、「版画マニアでして、版画が大好きなんです!」と語り、ダリの版画の魅力や技法について説明してくださいました。4階のショーケースに版画のシート24枚が展示していることに関して、ダリの多色刷りにかける熱い思いについて触れ、木口木版やドライポイント、エングレーヴィングの違いについてもお話されました。
4階では、ダンテの『神曲』の挿画を制作したエピソードからわかるダリの人となりや、作品の特徴についての解説。3階の『15の版画集』では、作品に登場するサイ、象といった動物、やわらかい時計、ヴィーナスから飛びでる引き出しや科学に興味を抱いて制作した作品の意味について、わかりやすく説明されました。また、スペイン史からみる美術作品についても解説してくださいました。最後に、2階では、『哲学者の錬金術』の支持体が羊皮紙であるお話から日本の昔話を描いた作品の内容までお話いただきました。
熱心なお客様ばかりで、ご質問も飛びだし、「作品も解説もよかった」「また来るね〜」「どんなして集めたの?しまびってすごいね!」などお褒めの言葉をちょうだいしました。
スペイン美術のご専門ということで、豊富な知識とスペインでの実体験から溢れでてくる言葉から“ダリの気配”を感じるギャラリートークでした。ご来場いただいたお客様、稲葉学芸員、ありがとうございました。
今後のギャラリートークは、
11月30日(土)11:00〜、14:00〜大神学芸員、12月1日(日)11:00〜安田館長、12月7日(土)11:00〜、14:00〜山内学芸員、12月8日(日)11:00〜、14:00〜中野学芸員
です。
※12月1日(日)14:00〜は「オルゴール・コンサート」のためギャラリートークはございません。#しまび #佐世保市博物館島瀬美術センター #佐世保市 #ダリ展 #シュルレアリスム #生誕120周年記念ダリ展 #わからないだから惹かれる #誰だダリだ













