泉福寺洞窟は、佐世保市を流れる相浦川の支流である紋殊川が刻む小谷にあり、四つの洞穴から成り立っています。
発掘調査では、ナイフ形石器を主体とする旧石器時代の文化層から細石器時代の文化層、縄文時代の文化層および弥生時代以降の文化層が層位的に12層に渡り検出され、昭和47年、当時最古とされていた隆起線文土器が出土し、翌年にはその下層から表面に豆粒をモチーフした土器片が出土しました。この土器は「豆粒文土器」と命名され、科学的分析の結果、約12000年前にさかのぼることが明らかとなり、最古の土器の位置づけを変えることとなりました。
泉福寺洞窟から出土した遺物のうち、豆粒文土器をはじめとする旧石器時代末から縄文時代草創期にかけての石器・土器が重要文化財に指定されています。